夜中の独り言
ヒトはリアルの上に立って生きている。
銃で撃たれれば死ぬし、飢えても死ぬし、老いても死ぬ。
どうしたところでクマやゾウには腕力で敵わないから、知恵を使って生き延びてきた。
子どもの頃そう教わって、そうだと信じていた。
「知的生命」を自称する賢明だったヒトはどこへ行ってしまったのか。
狡く同類を出し抜き、少しでも多く富をせしめようとする生き物をヒトと呼んでいいのか。
感情に振り回されることの浅はかさを説くものは夢想家と呼ばれ、相手にされない世でいいのか。
その日の食い扶持を求め愚かな行為を繰り返し、やがて種は衰退して滅びの途をたどるのか。
種の、いや、己の限界を見ないまま死を迎えていいのか。
自分は他のヒトと違うと思いたい、いや、違う。
その証明を残りの人生で果たしたい。